【瞑想は“トイレ”のようなもの?】――私が瞑想を続ける理由
はじめに
瞑想と聞くと、多くの人は「心が落ち着く」「ストレスが減る」「人生が良くなる」といったイメージを抱くかもしれません。実際、瞑想の魅力を謳う情報は世の中にたくさんあります。
しかし、ここでご紹介するのは、そんな“わかりやすいメリット”を前面に押し出すやり方ではありません。むしろ「瞑想はトイレのようなもの」という、ちょっと風変わりな捉え方がベースになっています。
「トイレ?」と驚くかもしれませんが、日々の生活で当たり前に行う排泄や飲食と同じくらい、じつは瞑想も自然な行為――そんな視点からのお話です。
瞑想はトイレと同じくらい“当たり前”?
「なくても生きていけるけど、実は大切」
瞑想は、食事や睡眠、トイレのような“生きていくうえで大切な行為”だという考え方です。ただし、食べない・寝ない・トイレに行かないとすぐ身体に不調が出るのとは違い、「瞑想をしなくても何十年も普通に生きられてしまう」ため、重要度がわかりにくいのが特徴です。
POINT
- ご飯を食べないと体調を崩すのはすぐわかる
- 瞑想をしないと起きる“心の不調”は、目に見えにくい
- だからこそ、「瞑想なんてしなくてもいい」と思われがち
でも実は、瞑想で“本来の自分に戻る”感覚を得ることは、健やかに過ごすうえで大切なプロセスといえます。身体の調子を整える行為が「食事」「睡眠」「トイレ」なら、心や意識を整える行為が「瞑想」というわけです。
それでも「瞑想で人生は良くなるのか?」と聞かれたら
「良くなる」とは、いったいどういうこと?
瞑想について「やれば人生が良くなるの?」と問われることがあります。しかし、その答えは「必ずしも“世間一般のいう良い状態”になるとは限らない」です。
- 瞑想を続けると、かえって辛さを感じる場面が増えることもある
たとえば、心の奥底にしまいこんでいた感情や思考が浮上し、精神的に揺さぶられることがあります。 - 世界は変わらないかもしれない
「瞑想すれば人生がバラ色になる!」というような、派手な変化を期待すると、拍子抜けするかもしれません。
一見すると「メリットがはっきりしない」「むしろしんどい」と思われがちな瞑想。しかし、それでも続けたくなる人がいるのは、「それでもやらずにはいられない」と心のどこかで感じるから。わたしの場合も、結局は「予約を入れてでも続けたい」という気持ちが残っているからこそ、今も瞑想を続けています。
【比較表】一般的に言われる瞑想のイメージ vs. 私の考える瞑想
一般的なイメージ | 私の考える瞑想 | |
---|---|---|
目的 | ストレス軽減・集中力アップ | “元の自分”に戻るための自然な行為 |
効果 | 人生がポジティブに変わることを期待 | 変化を求めず、ただ“心を整える”むしろ揺さぶりもある |
必要性 | 人生をよりよくするための選択肢 | 食事や睡眠と同じくらい当たり前ただし目に見えにくい |
継続のモチベーション | 成功例・成功体験に基づく期待 | 「それでもやりたい」という内なる衝動 |
周囲へのおすすめ度 | 誰にでもわかりやすく勧めやすい | あまり積極的には勧めない理解されにくい場合も多い |
実は「必須」だけど、「選択科目」のようなもの
奇跡講座との共通点
「奇跡講座(A Course in Miracles)」というテキストでも、世界は“幻想”だと説かれています。一見すると難解ですが、要は「本来の私たちは愛や調和そのものであり、この世界は夢のようなもの」という考え方です。そのため、奇跡講座の学びも瞑想と同じように「人生には必須のプロセス」とされつつ、同時に「選択科目」とも呼ばれています。
瞑想もこれと似ていて、「本当は大切な行為なのに、なくても生きられる」という点で選択制のように見えるわけです。だからこそ、無理におすすめする気持ちにもなれない一方で、「でも、やったら何かが変わるかも……」という内なる衝動に突き動かされる人は確実に存在します。
まとめ:それでも瞑想を続ける理由
- 「本来の自分に戻る」感覚
- 日々の雑念やストレスに埋もれた自分を、いったんリセットするような感覚がある。
- すぐに“効果”が見えなくても気づけば大切に思えてくる
- 人によっては劇的に人生が変わったと感じるかもしれませんが、そうでない人も多い。だからこそ「期待せずとも続ける」ことが大事。
- 人に積極的に勧めるかは別問題
- 瞑想が必ずしもバラ色の人生をもたらすとは限らず、心の奥に溜まったものが浮上して苦しむ可能性もある。「だからこそやる」人もいれば「だからやらない」人もいる。
- それでも、やりたければやる
- 続けたいと思う気持ちは消えないし、瞑想の予約を取り、自分の時間を確保している自分がいる。それこそが「やりたい」証拠ともいえる。
おわりに
「瞑想はあったほうがいいの?」「何かメリットはあるの?」という問いに対して、「なくても生きられるし、今の人生が大きく変わる保証はないよ」と答えるのは、なんとも不思議な話かもしれません。
でも、私自身は「瞑想=トイレのようなもの」というスタンスを大切にしています。心や意識をクリアにする行為が、日々を健やかに過ごすうえでの“ベース”になっているからこそ、何年も続けてきましたし、これからも続けたいと感じます。
もし「ちょっと興味あるな」と思っている方がいたら、「大きな期待も、強い目的意識もなく、なんとなくでもやってみる」といった軽い気持ちで始めてみるのもアリかもしれません。結果的に「やっぱり合わないな」と感じるかもしれませんし、「意外と面白い」と感じるかもしれません。
いずれにしても、瞑想は自分自身と向き合うための“ひとつの手段”にすぎない――そのくらいの気持ちで、気が向いたときに取り入れてみてください。そんなふうに自然に受け止められるのも、瞑想の魅力の一つなのかもしれません。
※この記事はあくまで個人的な体験や考え方にもとづいたものであり、瞑想に対する感じ方・捉え方は人それぞれです。もし興味を持った方は、ご自身のペースで試し、必要に応じて専門家や指導者のアドバイスを受けてみてください。